さて、実家リノベについて、色々書いてきました。

現場調査に始まり、お見積りを作って、間取りをプレゼン。

 

そして、両親はローンも考えているという話しまで書きました。

 

 

ちょっとここでお伝えしたいのが、

「私にとって、クライアント様が両親である」ということは、

「両親にとっても、設計士が娘」という事なんですよね。

何が言いたいかというと、

私は必要以上に何かしてあげたくなってしまいますし、

両親は、こんなこともしたい!!という要望が言いやすいという事。

 

最初はキッチンとお風呂をそろそろ取り換えようかなぁ?

という話しが、どうせならリビングも広くして、みんなが集まれた方が楽しいよね!

お金もかかるけど、一回で工事した方がストレスも少ないし、

どうせあと数十年住むんだからここでリフォームして、これからの暮らしを楽しみたいよね。

と、親子だからこそ、盛り上がりました。

 

案は喜んで貰えましたが、ここからはお金の話し。

父がローンを組むにあたって、実はネックになるポイントがいくつかありました。

それは、父は一度癌になっているという事と、

マンションの所有権を母に生前贈与しているという事です。

年齢や年収、継続勤務年数とは別に、このポイントがネックで、住宅ローンが難しいという事が判明しました。

 

詳しい話はよければ主人に聞いてもらえればと思いますが、

多額のローンを組む住宅ローンでは、過去に癌になっていると審査が通りにくい事があります。

そして、基本的には所有権を持っている人間が組むもの。

 

なので、父が住宅ローンを組むというのは現実味があまりなくなりました。

ただ、住宅ローンではなく、リフォームローンでは、金利が高くなりますが、

借りられることもあります。

やはりこういう話しをしていくと、どうしてもテンションが下がってしまいますよね。

 

ですが、このことを両親に話しました。

母はそれでもやる気でしたが、父は違いました。

 

父は、会社を潰して家も失うかもしれないという恐怖を味わっているから、

この先の人生で、同じような思いをする事だけは避けたいんです。

とにかくこれが大きかった。

だからもし、二人とも働けなくなった時のことを考えると、ローンを組んだり、貯金を使ってしまう事にやっぱり抵抗があると。

それなら、父が貯めた100万くらいなら使えるお金があるから、それでキッチンやお風呂だけ取り替えたらどうだ。と。

まぁ、今回のリフォームの話しもそのくらいのつもりが、話が大きくなっていったという側面もあります、。

母は、
今後働けなくなるかもしれないという可能性もあるけど、

働けるかもしれない。という意見。

せっかくならこれからの楽しい暮らしのためにリフォームしたい。

もし働けなくなったとしても年金暮らしすれば良いと。

この、二人とも働けなくなったら年金暮らしすればいい。という考えが、父にはとてもストレスで、
父は、死ぬまで余裕のない暮らしをしたくないのです。

すごく余裕があるわけじゃないけど、行きたくなったら旅行にも行けるし、って思えるくらいの余裕を常に持っていたい。

べつに旅行に行きたいわけではなく、ただただ、旅行も行けるね。って思えて、言える余裕が欲しいだけだと言っていました。

なんだか、それを聞いて、

自分にはまだ無い感情だなと思った。

余裕があったら使うことを考えてしまうから。

旅行も行けるね、って言えるだけでいい。

という言葉はなんだか少し切なかった。

 

・・・

 

父と母では、二人にとってのストレスの形が違うんだなと思いました。
そして、楽しいの形も違う。

 

お母の事を想って、使いにくいキッチンやお風呂を新しくしたらどうだ?

という愛が、母にとってはズレていて、
母は、それならせっかくならリビングも変えて新しい暮らしを送りたい。

キッチンやお風呂を取り替えるだけなら、今のままでもいいと。

父のストレスは挑戦で、
母のストレスは現状維持。

父が欲しいのは未来の余裕で、
母が欲しいのは今の楽しさ。

 

なんだか話しを聞きながら、

夫婦で同じ方向を向いて暮らすことって本当に尊いなぁ。と思った。

 

ずっとね、この一連の流れを私たち四人兄弟はラインで共有していまして、

姉からこんな言葉が。

「ほんとどっちの意見も分かるわぁ。
ある程度は仕方ないとは思うんだけど、
鮎子ちゃん(私)と千葉さん(主人)には仕事としてできるだけ本人たちが後悔しない提案をしてあげてほしい。
いいな。やりたいな。と思っちゃったものがどんな理由であれできなかったってなると、
せっかくの楽しい提案もできなかった、やりたかったのにやれなかったっていう残念な思いとセットになっちゃう。
それを少しでも減らしてほしいな。
提案した以上は。」

 

そうだよね、そうなんですよ。

 

ここまで来たらね、100万でも200万でも満足する提案をするしかないんですよ。

 

ちょっと仕切り直しです。