インテリアのご提案をするとき、

これは少しシャープなイメージになりますね、とか

これだと空間が重たくなってしまうので、とか

こちらのほうがすっきりすると思います。とか、、

空間を表現する言葉はたくさんあります。

その全ての言葉がお客様と100%理解し合えているかはわかりませんが、

照明のプランをご提案するとき、明るい・暗いでしか表現できない

もどかしさをずっと感じていました。
これだと暗くないですか?

これで十分明るいですか?

よく聞かれます。

 

ただ、こんなことを言ってしまっては元も子もありませんが、

明るい暗いの感じ方、基準は人それぞれですね。

明るさの単位である何Lm(ルーメン)なのか、何Lx(ルクス)なのかと、

数字で判断することもできますが、

じゃあ晴れの日は?曇りの日は?

カーテンは閉めてることが多い?

その部屋の壁の色は?

様々な要因が重なることでも明るさって感じ方が変わります。

 

今の、戦後からの日本の住宅はとても明るいです。

それは、天井からの照明で照度を確保しているから。

一昔前は天井に着いた丸いシーリングライトが主流でしたが、

最近はダウンライトですね。

ダウンライトも物凄く沢山の種類があり、とにかく明るくしようというコンセプトではない商品も出てきましたが、

天井からではなく、横からや、下からの明かりである

スタンドライトやシェードランプを取り入れてみることをお勧めします。

 

日本家屋の天井には照明は無く、ローソクや行燈でした。

上からの光ではなく横からや下からの光です。

障子や行燈から漏れる光はシェードランプの布を通して光る明かりと同じだと感じます。

 

明るさって、慣れます。

明るいも暗いも。

本を読むのに豆電球一つでは足りないかもしれませんが、

天井から降り注ぐ明かりを全てに求めなくても、暗くは感じません。

 

明るくないけど暗くないんです。

 

その豊かさや奥ゆかしさが日本人のDNAにはあると思います。

是非一度、リビングの照明を一つ消して、

スタンドライトだけで過ごす夜の時間を楽しんでみてください。