先日、マンションのフルリノベーションのプレゼンを行いました。

間取りをとっても気に入って下さって、本当に嬉しかったです。

何年も中古物件を探されていたお客様。

色々ご相談に乗らせていただいていたのですが、
やっと物件も決まり、間取りも決まってきて、

いよいよ始まる、、!と思うと、
私達もとっても嬉しいです。


間取りをご提出させていただいた後の前回のお打合せで、
奥様から「テレビは小さい物にする予定なので、
リビングの壁がさみしくならないか気になります」と

ご相談頂きました。

なるほど。



私達は設計をする上で、

「余白」をつくる事を大切にしているのですが、

余白というのは、例えば

“何もない真っ白の壁”

“はっきりした機能の無い長いカウンター”

“壁をずらすことによって生まれるくぼみ”

などです。


真っ白の壁があったら、「何か飾らなきゃ」

長いカウンターがあったら、「何か置かなきゃ」

くぼみがあったら、「何かに使わなきゃ」

と、どうしても思ってしまうんですよね。


もちろん飾るのも置くのも正解なのですが、

「贅沢に余白をそのまま楽しむ」

という事も少し高度なテクニックなのですが
是非、試していただきたいのです。


余白をそのまま楽しむには、
バランスがとっても重要で。


つい、余白があるとその余白を埋めるという事を考えがちなのですが、



面積を埋めるという発想よりも、

強弱をつけるという発想がお勧めです。



例えば、何もない真っ白の壁に
プリントされたアートを何枚も飾って面積を埋める、
のでは無く、


迫力のある立体作品を一つだけ飾って、
残りの余白を楽しむというのも引き算出来ていて
素敵だなと思うのです。

余白も活かすという考え方です。

分かりやすい写真がありましたので、拝借致しました↓

例えばこちらは、壁の余白の前に大きめの照明を落とすことで
バランスを取っている例。

大きい照明という強いアイテムに対して、
真っ白の壁は引き算としてバランスを取る役割をしてくれています。


例えばこちらは、
分厚い迫力のある(素材の強い)ベニワレンを敷くことで、
真っ白の壁がより引き立つ例。

自然に視線はベニワレンへ向くので、
壁は背景に徹底してくれています。



もちろん、壁にアートを沢山飾るというのが
バランスとしていい場合もあります。


ただ、余白を活かす場合、
床や壁、窓や天井の高さ、照明計画など、
様々なバランスが関係してくるため、

せっかくゼロからリノベーションするなら、
そんな「余白」も楽しむことが出来るので
余白が生きる素材選びやスタイリングにも
是非挑戦して頂きたいなと思ってご提案しています。