ステンドグラスを固定しました。

 

今回、このステンドグラスを固定する為にそれ専用の金物を、

わざわざ鍛冶屋さん(かじやさんと読みます。私は最初読めなかった!)

にステンレスで作っていただきました。

 

わたしたち設計士は、よく色々なものを作ります。

 

例えば私が過去に鍛冶屋さんに作っていただいたのは、

カーテンレールや窓の枠、扉の取っ手、丁番などなど。

 

出来上がっている既製品があるのにも関わらず、

わざわざ作るのはなぜなのか?

 

その理由は、

既製品にはない形状だったから作らなくてはいけないパターンと、

見た目で気に入るものが無いので作るパターン。

 

今回は、既製品で使える金物が世の中に無かったので、作りました。

(既製品の方が作るより安い場合が多いので、まず先に、必ずその作ろうと思ってるものが世の中にあるのか無いのか探します。探すという能力も設計士にはとっても大切!基本めっちゃ探してます! 作ろうとすると、必ず上司に「それ世の中にないの?探した?」って聞かれてました笑 作ると高いからね。)それは置いといて。

 

で、今回はステンドグラスの金物を一から作ったわけですが、

他の物を作っている時でも、

考えている事や気にしているポイントというのは常に同じだなと思ったので、

そんなことを書いてみます。

 

・・・

 

常に気にしているポイント。

それは、

「いかに消すか」ということです。

 

今回はステンドグラスが主役であり、

金物は脇役。

 

脇役は出来れば目立たせたく無い、存在を消したいのです。

主役のステンドグラスの横に大きな目立つ金物がついていたら台無しですよね。

 

固定するというのは大前提で、且つ存在感を消すにはどうしたらいいのか?

そんな事をいつも考えています。

 

今回考えた過程はこんな感じ↓

 

まずは固定方法を決めよう。

ステンドグラスの縁に溝があるから、

その溝に金物を引っ掛けて、ステンドグラスと金物を固定させよう。

金物と壁を固定させるためには、壁にビス止めしたいな。

ビスを打てる場所は壁から最低でも2~3cmは内側に入ったところになる。

壁のふちギリギリにビスを打つと、モルタルが割れてしまってビスが効かない。

じゃぁ金物は必然的に最低でも3cmくらいの幅を持ったものにしないと、ビスが打てないな。

でも3cmの金物って太くてダサい!もっとシャープで目立たなくしたい!

そもそも3cmの幅が必要なのはビスを打つところだけなんだから、

全てを3㎝幅にする必要は無くて、

ビス止めするところだけを3cm幅にするのはどうだろう!

その場合、ステンドグラスの縁についている金物と同じ色にしてサイズも揃えればより目立たなくなるな。

という事で、こんな形状になりました~

 

こういった主役ではなく、脇役を一から考えて作るという行為(デザイン)に

正解・不正解は無いのですが、

「考える量」と「出来上がったときの違和感や存在感の無さ」は、

比例しているなといつも思います。

 

わたしなんてまだまだですが、

その存在に気付かないくらいに溶け込んでいる脇役は、

物凄くよく考えて作られている。という事が往々にしてあります。

 

 

そこに金物がある事なんて言わないと気付かない!くらいに

存在を消したいと思ってるのに、

こんなに考えたんだからちょっとは気づいてほしかったり、ね、、。